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お金のしくみ 見るだけノート
伊藤 亮太
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節約・貯金
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お金には3つの役割がある

お金の成り立ちを紐解くと、最初は物々交換によって成り立っていました。買うや売るというのは、交換をすることを指し、これがひとつのお金の役割となります。そして、2つ目は「モノの価値の尺度」です。お金があることで、モノの価値を数値化することが可能です。「みかん1個100円、りんごは1個200円」というように、お金に役割があることで、高いか安いかわかります。

そして3つ目は価値を貯めるという働き。肉や魚は価値があるけれども賞味期限が過ぎれば腐ってしまいますよね。お金の形であれば価値をためておけるのです。

もしお金がなく、世の中が物々交換を続けていたとして、米俵と牛を交換しようとしましょう。時に、重い米俵を担いで山を越え、帰り道は牛を引いていたかも知れません。また、二人で割り勘というのもお金があってはじめてできること。米一俵を半分にすることはできますが、牛の分割は胴体で真っ二つにはできません。

価格は需要と供給で決まる

では、モノはどうやって値段が決まっていくのでしょうか。それは「需要」と「供給」によって決まります。たとえば、カッパが大好きなきゅうりが不足だったと仮定しましょう。

市場にはほとんどきゅうりが出回らず、欲しいカッパは1万円でも買いたいと申し出ます。供給が少なく、需要が高まることで値段が上昇します。

逆にきゅうりが大豊作だった時、市場にはカッパの需要より多くのきゅうりが流通します。1本50円だったとしても過剰供給であれば、カッパは購入しませんから、さらに値下げをしていきます。これが供給が多くなると、価格が下がる理由です。

こうした需要と供給の値付けについては、長い目で見ると釣り合うようになると言われています。供給が少なくて需要が高ければ、もっと儲けようと生産量を増やします。供給量が需要を超えた場合、在庫過多になってしまうため値段を下げるようになります。

これは商品やサービスだけに限った話ではありません。誰もが持ちたい株や金融資産にも同じようなことが言えます。

なぜお金を貯めなければいけないの

お金は持っていて困るものではありません。だからと言ってパッと使ってしまうと、ライフイベントや老後に頭を抱えてしまいます。

1950年代の日本人の平均寿命は男性が60歳、女性が63歳でした。しかし、2017年には男性が81歳、女性は87歳と大幅に伸びています。つまり、老後に必要なお金は増えました。

若い世代であれば、バリバリ稼いで稼ぐ力がありますが、老後になると体力は衰えます。老後になってからお金が足りないと悩むことを避けるため、老後を見据えた貯蓄が必要なのです。

また、ライフイベントと呼ばれる結婚や就職、子育てなど何かとお金がかかるもの。将来とその先に備えるために準備が大切なのです。大体の目標は年収のおよそ2割を貯蓄に回すこと。支出と収入がトントンという人は、ボーナスを貯蓄に回すなどして、年収の2割を目指すのが良いでしょう。

老後資金の貯め方

将来を見据えて、お金をしっかりと貯めていくことが重要なことはここまででご理解いただけたかと思います。

では、どうやって貯めていくのか。毎月定期預金をコツコツと貯めていくこともやり方の一つですが、それだけだと心もとないかもしれません。老後に向けた貯蓄の仕方は、2階建て、3階建てなどと家に例えられることもあります。その年金の仕組みを紹介いたします。

一階建て

国民年金や基礎年金と呼ばれる部分です。将来に対して積み立てていくことで老後の働けない期間に受け取ることができるシステムです。

ただ、2007年の消えた年金問題をはじめ、将来に対する年金の不信感は強いです。また、今後の人口減少などにより支える世代が今後減っていくことから、受給についてこれだけやっておけばOKという考え方は危険かもしれません。

二階建て

iDeCo(個人型確定拠出年金)です。年金を自分で運用するシステムで、これを行うことで節税が可能です。

また、扶養家族であっても加入ができるため家族がいる世帯は、将来のお金の備えとして行っておくべきです。ただし、受け取りは60歳以降。加入期間は最低10年間で途中解約は原則できないという点に注意が必要です。

三階建て

貯蓄したお金を自分で運用していくことや企業年金や年金払い退職給付なども一つのセーフティネットとなります。

企業の年金が正しく運用され、かつその企業が今後も存続していくという条件付きですが、企業に残り続けることのメリットは将来に対して寄与することもあります。

銀行の金利はどうして低いのか

数十年前は、銀行にお金を預けておくだけでコツコツと毎年金利がついていました。しかし、今は不景気が長く続いており、そうした還元はほとんど行われません。

銀行は人々から集めたお金を、企業に融資し、利息をつけてお金を融資していました。しかし、不景気が続くことで、銀行は景気の良い企業の融資先が見つからない状況です。そうした中、日本銀行に対してお金を預けて金利を得ようとしました。結果、社会にはお金がまわらず、景気が悪くなる状態がつづいていました。

昨今では、日本銀行が少しでもお金を貸し出せるよう、お金を日本銀行に預けても減ってしまうという、マイナス金利政策を推し進めています。しかしながら、それでも銀行は企業に融資を渋ってしまっている状況で、預けてもらったお金を増やす手段がない。その結果、金利がほとんどつかないという状況になります。

現在そうした状況下にあるため、日本政府は貯蓄から投資へをスローガンに掲げ、国民の意識を変化させようとしています。中でもNISAは投資の裾野を一定広げつつあります。本制度を使えば、投資で発生した利益が非課税となりますから、手始めにそこから始めてみるのはいかがでしょうか。

著者
伊藤 亮太
2006年に慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了。在学中にCFPを取得する。卒業後は証券会社に入社し、営業、経営企画、秘書業務等を経て2007年11月に「スキラージャパン株式会社」を設立。現在、個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、法人に対する経営コンサルティング、相続・事業承継設計・保険設計の提案・サポート等を行う。
出版社:
宝島社
出版日:
2019/1/21

※Bibroの要約コンテンツは全て出版社の許諾を受けた上で掲載をしております。

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