お金持ちになるための定義概念を本書では「列車に乗る」ように実現するべきことだと紹介しています。
というのも、同じスタートからゴールに向かうというプロセスで見た際、複数乗り物がある中で、列車は「ある程度自動で稼ぎ」「事故に合うリスクが低く」「余裕を持つことができ」「移動できる距離が長い」という点が挙げられます。
自動車や自転車、はたまた徒歩であってもゴールへと向かうことができます。しかし、例えば車であれば一見、自由度が高いように感じられますが、その分事故のリスクや、自分で動かさなければいけない大変さがあります。徒歩や自転車であれば、コストは安い分、長距離を走るのには適していないでしょう。
これは単に乗り物についての比較という話ではありません。人は何かを達成するためにこの世に生まれてきたはずです。にもかかわらず目的地にたどり着ける人は、ほんの一握りしかいないことが問題なのです。
多くの人が良い大学に入り、大企業に入って労働を行う。それは、目標とされがちな勘違いです。まずそもそも日本の就業人口6500万人に対して、被雇用者はおよそ5700万人。つまり日本人のほぼ9割近くがサラリーマンと呼ばれる存在です。
この中で年収1000万円以上の人口ときると、およそ200万人ほどしか存在しません(共に2016年のデータ)。
この人たちは、残念ながら大金持ちと呼ばれる存在ではありません。この年収を勝ち取るために、仕事に忙殺されていたり、ストレス環境に置かれることも多いでしょう。
対して視点を変えると、資産ベースで1億円を持つ人はクレディ・スイスの2016年データによると、およそ280万人存在しています。日本人口の2%がここに存在しています。
ここで知らなければいけないことは、キャリアを積んで良い企業に就職したとしても、大きな資産を作れるのは一握りだけだということ。良くて小金持ちなのです。
基本的には誰かに使われるという存在になった時点で、労働者という存在になり大金持ちの乗る列車には乗れないのです。
投資の原資などを集めたいというとき、もしくはよりお金持ちになりたいと思い副業を始める人もいるかと思います。副業解禁の波はコロナ禍で非常に増えましたが、これは時間とエネルギーの効率化という視点ではあまりふさわしくありません。
どちらかといえば、時間を切り売りしてお金に変えているだけで、自分の価値換算で1時間を1000円、あるいは2000円に変えているに過ぎません。
お金持ちの列車に乗ろうとする人、もしくは乗っている人は、基本的にはお金が流れ込んでくる仕組みを作り、10倍あるいは100倍を稼ごうと考えています。
小銭しか得られない副業に投資するぐらいであれば、本業で稼ぐことを念頭に入れましょう。
お金持ちはケチだという話聞いたことありませんでしょうか。少し言葉の表現が異なり、「無駄」なことが嫌いなのです。お金を払うことへの価値や意味を考え行動し、無意味な出費を控える。そこで作り出した資金を投資に回し、将来にリターンを得るという思考で行動しています。
見栄のためにお金を使う人もまた、列車に乗り続けることはできません。起業家のビルゲイツ氏は、ハンバーガーを購入するのにクーポンを欠かしたことはありませんし、投資家のウォーレン・バフェットは凄まじいほどの資産をもつにもかかわらず、自動車や家にもお金はかけません。
とはいえ、何でもかんでも節約をするかというとそうではありません。100円ショップに行き続けていると本物に囲まれた生活から遠のいていきます。また、お金を判断軸とせずに、人との関わり方を考え続け、時に人を大事にし、断捨離をしていくことなどは基本中の基本です。
10万円というお金を渡された時、どうやって使いますか。浪費・消費・投資と分けた時、大体は浪費に2〜3万円。消費に7〜8万円のお金を使っていくと思われます。
この浪費や消費というお金は、言い換えるならば死に金と暮らし金です。前者をなくすと、途端に人生は楽しみがなくなっていきます。後者を減らそうとすると、健康を壊してしまいかねません。
目標としては、浪費を3分の1に抑え、消費を少しだけ削る。そうして浮いたお金をまずは投資に当てていくのが基本です。まずは収入の10%を投資に向けることを目標にし、最終的には30%ほどを投資に向けていくように収支をコントロールしていくことを目標にしていきましょう。
今動かないと稼げない、耳障りの良い情報に人は興味を持ち、踊らされがちです。
例えば、コンピューターのプログラムによって必ず儲かる投資があるといった話。技術革新などにより、あたかも自分も儲けられるかのごとく説明してくるでしょう。
しかし、そうした説明を受けた時冷静になってほしいのです。「儲かるのであれば、その人はなぜ自分で投資して、一人だけでやらないのか」と。今現在お金持ちな人たちは、自分が儲かっていることや資産を持っていることは決して自慢しません。
そうした儲け話の全ては、あなたの資産を奪おうとする強盗列車だと思っておきましょう。少しでも怪しいと感じたら、時間をかけて確認などをせずに断ってしまうことが大切。
儲け話に誘われたとしても、見ない、聞かない、乗らないが鉄則です。
※Bibroの要約コンテンツは全て出版社の許諾を受けた上で掲載をしております。