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株はメンタルが9割
長田 淳司
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株の儲けは我慢料

投資についての考え方を大きく改めたのはリーマンショックがきっかけでした。下落が本格化してきた2008年後半、大きく資産を減らしていったことがきっかけとなり、投資手法を変えなければ決して勝てないと痛感したのです。

投資手法を学び直す中で出会ったのが、邱永漢(きゅうえいかん)氏という人でした。日本統治下の台湾で生まれた氏は、「金儲けの神様」と呼ばれています。

彼の格言の中で一番、金言となったのは、

「株式投資の儲けは我慢料」

です。

株を買うには欲しい金額になるまで我慢、一時的にそこから株価が下落しても上がるまで我慢、売ってからすぐにポジションを取らず、チャンスが来るまで我慢。

投資は我慢の連続だということは、成功者からの教訓なのです。

儲ける人と損する人の違いはメンタル

さて、現在では様々な投資手法や、銘柄を解説する情報源があります。情報収集の努力をすれば、業績が上昇しているかどうかを調べること自体は至極簡単です。

とくに、個人投資家に人気のある銘柄はブロガーや投資のSNSアカウントなどで紹介されることもあり、いわばすべての情報が公開されているとも言えるでしょう。ある意味で、現代は平等な条件のもと売買ができる環境が整備されています。

では、そんな平等な環境下で儲ける人と損する人がいるのはなぜでしょうか。結論から解説しますと、「メンタルの違い」なのです。

株式投資はいつでも始められる、ハードルの低い投資方法です。簡単がゆえに、必要なメンタルを身につけることなくはじめ、典型的な失敗を犯します。

株価の変動に右往左往して精神が不安定になり、逆に値上がりしたからといって勇んで売ってその後の急騰を逃したり。落ち着きのない投資方法では勝てません。

焦らずに待つことが大切

まずは、株価の値が変わらない状態。いわゆる「凪」の状態について説明します。

株価というのは、7割ぐらいの期間は一定の価格帯で推移しています。1000円が1500円になったとおもったら、また1000円に逆戻り。レンジ圏を脱して高値もしくは安値となるのは、たったの2割程度です。

レンジ圏内をジリジリ動く期間の方が多いということを認識し、しびれを切らして自ら動いてはいけません。成長する株であれば、いずれ大きく動く瞬間がやってきます。

相場のほとんどが、自分の思うようには動きません。落ち着いた気持ちで株式投資に向かうメンタルが必要です。

ババを掴んだら躊躇なく損切りせよ

投資というのは、不確定な将来に向けて資金を投じることですから、成功することもあれば当然失敗することもあります。

狙った銘柄に投資する際のメンタルとして、「投資には失敗がつきもの。失敗するのが当たり前」ぐらいに思っておく方が、チャンスもつかめますし、また大怪我も減ります。

逆に銘柄投資をする際に、必要以上に恐れて買うのに二の足を踏んでいては、みすみすチャンスを逃すことになります。

成長株への投資では将来の成長性が見込まれたら、早いタイミングで購入を決める。逆に、将来性が失われたら株価の値が戻るのを待たずに、失敗として躊躇なく損切りをすることが大事です。

失敗は失敗として処理する。そして、できるかぎり失敗を小さく、そして回数を減らせるようにできるメンタルを身に付けましょう。

株価ボードは頻繁にチェックするな

ずっと株価ボードを眺めていても、株価は上がりません。中長期的には株価は会社の利益に準じて値動きしますから、途中で見ても意味がないと覚えておきましょう。

むしろ、何度も見れば見るほど冷静なメンタルは保てなくなるもの。例えば一時的に値上がりすると、利確したくなってしまいますよね。逆に、少し値下がりしただけで損切りしてしまっていては、その後の儲かるはずのチャンスを手放すことになります。

相場チェックの時間が長くなるほど、感情が動きます。そんなタイミングで売買し続ければ、どんどんと証券会社の思惑(手数料を取る)にはまってしまいます。

取引するための投資行動として、あまり株価ボードを頻繁に見ることは適していないのです。むしろ、相場には張り付かないというスタイルを忘れないようにしてください。

買いを待てるようになったら勝てる

投資するときは、会社のことを調べて、買う材料が本当に正しいか精査しましょう。

そのうえで、資産を一気に投じるのではなく少しずつ買い足していくことが大事です。

専業投資家以外の、サラリーマン投資家であれば待つことが非常に大切です。思い立ったらすぐに購入したいという本能には逆らって行動することが大切。

人が群がっている時には、高値で買うことになる場合が非常に多いのです。多数派とタイミングをずらして売買できることになれば、勝てる機会も非常に増えてきます。

小型成長株を見つけよ

値動きが大きく資産を大きく増やしてくれるチャンスがあるのは、小型成長株です(逆に、下がるリスクももちろんあります)。

株価が安定していないといことは、良い材料が出た時に大きく値上がりします。

時価総額300億円未満の企業、そして、毎年増収増益を続けている企業を軸に、探していくことが大切です。そうした株をPERで見て割安なタイミングで購入するのが良いでしょう。

売るタイミングを読み違えるな

投資家にとって、高くなった株を売るタイミングもまた利益を最大化するためのジレンマに見舞われます。もっと上がるのではないかとタイミングを逃せば、暴落の憂き目にあうこともあります。逆に、「株式投資の儲けは我慢料」という言葉を忘れてしまえば、手数料を証券会社に支払うだけで終わってしまうことでしょう。

ポピュラーな手法として取り上げられるのは「2倍になったら半分売る」というものです。2倍で半分売れば、買った時のコストはゼロになりますから、たとえ株価が0になったとしても、損はありません。

とりあえず儲かったという安心感は、その銘柄を持ち続けるためのメンタル強化にもつながります。

値上がりをしたら一部を売り、利益を確定させながら手持ち株を増やしていく。大化けをする銘柄で成功するためには、そうしたメンタルを補完する戦略が大切です。

著者
長田 淳司
金融機関に勤務するサラリーマンながら、中小企業経営者や一般投資家向けに投資セミナーを開催。著書に『10万円から始めて資産を200倍にする小型成長株投資』(フォレスト出版)がある。
出版社:
双葉社
出版日:
2021/07/29

※Bibroの要約コンテンツは全て出版社の許諾を受けた上で掲載をしております。

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