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失敗しない家の売り方・買い方
桝谷 浩太
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家の売却までの「3つの段階」と「9つのステップ」

家を売却する時には、以下の3つの段階と9つのステップを踏む必要があります。

第1段階:家の売却準備

【ステップ1】調査:ウェブサイトで自分の物件の相場を調べる

【ステップ2】査定:複数の不動産会社に査定を依頼する

【ステップ3】面談:訪問査定で担当者と直接話す

【ステップ4】媒介契約:不動産会社を決定して媒介契約を結ぶ

第2段階:家の売却活動

【ステップ5】売却活動:販売価格を決めたり、販促などの売却活動を開始する

【ステップ6】内覧対応:見学希望者の内覧に対応し条件交渉する

第3段階:売買契約と引き渡し

【ステップ7】売買契約:契約に必要な書類の準備

【ステップ8】決済:代金を受け取り、物件を買い主側に引き渡す

【ステップ9】確定申告:税務署に確定申告をする

ステップ9の税金関係以外は1人で行うのではなく、不動産会社と一緒に進めていくことになります。ステップ1〜ステップ8までの決済までは最短2ヶ月〜半年が目安です。全体の流れを頭に入れておくことでスムーズな家の売却につながるはずです。

まずは家の価格を調べる

家の売却準備は、実際に物件を売り出す前の段階ですが、この時からしっかりと行動を起こしておかなくては、良い条件で家を売却することはできません。

ステップ1:家の価格を調べる

ステップ1の「調査」では所有している不動産の価格を「SUUMO」や「アットホーム」、「レインズ・マーケット・インフォメーション」などの大手不動産サイトを使って調べます。「種別(マンションか一戸建てか))」「建築構造(木造、鉄骨、鉄筋コンクリートなど)」「床面積」「間取り」「築年数」などの項目も合わせてチェックしましょう。

ステップ2:家の査定

ステップ2の「査定」では、一括査定を利用して各不動産会社の相見積もりを利用するのが効率的です。

不動産会社を選ぶ

ステップ3:面談

そしてステップ3の「面談」では、2〜3社に絞りこんだ不動産会社のなかから、仲介を任せる会社を選びます。

現在の不動産業界では、会社の大きさは物件の売却にはあまり影響はなく、選ぶ時には、担当者の実績、知識、雰囲気、話し方、人となりを基準にしましょう。また、不動産会社の得意分野が自分の売却条件にマッチしているかという視点も大切です。

不動産業界のグレーゾーン「囲い込み」

不動産会社を選ぶ時に重要なのが、業界の長年の懸念材料となっている「囲い込み」が発生しないかという観点です。「囲い込み」とは仲介契約を結んだ不動産会社が自社の顧客だけに物件を紹介する習慣のことです。

日本の法律では購入でも売却でも、仲介手数料は「3%+ 6万円(税別)」までと決められており、顧客の売り契約と買い契約のどちらか片方の売上だと3%にしかなりません。つまり、売りと買いの両方の契約ができれば売上が2倍になるため「囲い込み」が発生するというわけです。

しかし、売主側からみた「囲い込み」は、売値が下がったり、成約まで時間がかかったりするなどのデメリットがあります。

質問を投げかけ「囲い込み」を回避する

よりよい条件で家を売却したいなら、「囲い込み」をしない不動産会社に依頼することが大切です。

「囲い込み」をしない不動産会社を見極めるのは難しいですが、実戦できる簡単な方法として、「御社は他の不動産会社の内覧を受け付けてくれますよね?」「『囲い込み』についてはどのような対策をしていますか?」という質問を行い、不動産会社にプレッシャーを与える方法があります。

他にも情報をオープンにしている会社を選ぶなどの対策があるので、「囲い込み」をしないビジネスモデルを展開しており、かつ大手不動産会社で経験を積んだ担当者が在籍する不動産会社を選ぶようにしましょう。

ステップ4:「囲い込み」しない不動産会社と専任媒介契約

ステップ4で「媒介契約」を行うのですが、それには以下の3種類が存在します。

(1)専属専任媒介契約:すべてを1社に任せる専属契約で、売り手が自分で買い手を探すことも禁じられます。

(2)専任媒介契約:1社のみと契約する点は(1)と変わりませんが、売り手が自分で買い手を探すことが可能な契約です。

(3)一般媒介契約:複数の会社に依頼して任せる契約です。

「囲い込み」を回避するためには、(3)一般媒介契約が良さそうに見えますが、担当者のなかでの優先順位が後回しになってしまう可能性があり、あまりおすすめできません。

したがって、「囲い込み」しない不動産会社で専任媒介契約を結ぶのが最もおすすめです。

家を売る

ステップ5:売却活動

不動産会社との契約が完了したら、ステップ5の「売却活動」を行います。ステップ2で行った査定額と売主の希望価格をすり合わせて納得の価格に落とし込みます。

販売価格は少し高めに設定しておくのがポイントです。なぜなら、中古物件の取引では8〜9割の確率で値段交渉が発生するからです。

先方からの値下げ要求を念頭におき、販売価格は少し高めに設定しておきましょう。

ステップ6:内覧対応。部屋を綺麗にしておく

ステップ6の「内覧対応」では、見学希望者の内覧に対応し条件交渉を行います。

成約率を高めるためには、内覧前に生活感が出ないように片付けや室内の換気、電気をつけて部屋をあかるくするなど良い印象を与えましょう。

内覧が一通り終わると、不動産会社の担当者から連絡が入り、内覧者のなかから購入申込書が提出され、購入希望者との交渉が始まります。

売買契約日まで期間が開く場合には、購入申込書を受け取ったら売主側が「この人物(買主様)と優先的に交渉している」ということを客観的に明示する売渡承諾書を送付するケースもあります。売渡承諾書の内容は担当者と話し合って決めるようにしましょう。

不動産売買契約の締結

ステップ7:売買契約

売却先が決まればステップ7の「売買契約」に移行して、契約に必要な書類の準備などの実務的な手続きを行います。不動産売却で必ず確認しておくべき書類は以下の4つです。

  1. 登記済権利書(登記識別情報)
  2. 住宅ローンの償還表
  3. 浄化槽設備の維持管理費がわかる書類(一戸建ての場合)
  4. 売主に関する書類

準備に時間がかかる書類もあるので、余裕を持って用意しましょう。

書類を用意し準備が整ったら不動産売買契約を締結します。不動産売買契約書では以下の9つの点をチェックしましょう。

  1. 売買物件の表示
  2. 売買代金、手付金等の額、支払日
  3. 所有権の移転と引き渡し時期
  4. 公租公課の清算
  5. ローン特約
  6. 付帯設備等の引き渡し
  7. 手付解除期日
  8. 契約違反(債務不履行)による解除
  9. 契約不適合責任(瑕疵担保責任)

売買契約の当日には、重要事項説明書や売買契約書の説明、読み合わせ、記名押印、手付金の支払いが行われます。

ステップ8:決済

その後、ステップ8の「決済」に進み、買主の住宅ローン本審査が行われ、無事審査を通過すれば決済と引き渡しを行います。買主が支払いを済ませ、売主側が物件を引き渡せば、物件売買に関する手続きは完了となります。

ステップ9:確定申告

最後にステップ9の「確定申告」では、譲渡の日(引き渡しの日)の翌年の2月16日から3月15日までに税務署へ申告手続きをします。

著者
桝谷 浩太
グローバルトラスト不動産株式会社代表取締役。東宝ハウス、三菱UFJ不動産販売、ソニー不動産(現SRE不動産)で主に居住用不動産の売買仲介営業を経験。2017年にグローバルトラスト不動産株式会社を創業。売主の利益を最大限追求する不動産会社を目指す。
出版社:
あさ出版
出版日:
2023/02/07

※Bibroの要約コンテンツは全て出版社の許諾を受けた上で掲載をしております。

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