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1億円貯まる方法を教えてください
世古口 俊介
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資産形成
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1億円、貯めるための3ステップ

ステップ1 人生の目標を決める

ステップ2 最適な資産配分を考える

ステップ3 個別の投資対象を選ぶ

投資で失敗する理由はいきなり個別の投資対象選びから入ってしまうから。資産運用は自分の人生の目標を達成するための手段に過ぎません。マインドセットで心を整え、資産配分の大切さを学び、核になる資産である「株式」「債券」「不動産」を理解する。余裕があれば各々の嗜好に応じてその他資産への投資を研究し、最適なアドバイザーを見つけよう。

タネ銭づくり編

投資のタネ銭は「積立投資」「不動産投資」「収入と支出のコントロール」でつくりましょう。

積立投資

まずはインターネット証券での「積立投資」です。積立投資が良い理由は3つ。「長期投資」「複利運用」「ドルコスト平均法」。

長期投資とは10年、20年と投資に長期的に取り組むことです。積立投資以外の金融取引はまとまった資金を一度に投資するので損益が気になり、短期売買になりがちです。しかし、積立投資は毎月コツコツ投資しているのであまり短期的な損益が気にならず、長期投資になりやすいのが良い点です。

次に複利運用です。複利運用とは投資で得た利益もそのまま投資に回すことで、投資効率を高めることです。かの天才物理学者アインシュタインが複利運用を「人類最大の発明」と呼んだほどです。

ドルコスト平均法とは株式を毎月や毎日コツコツ投資することで買い付け価格を平均化できる投資法のこと。価格の上げ下げが激しい株価にドルコスト平均法で投資することで一喜一憂することなく平均価格で投資が可能です。

積立投資を地道に続ければ10年、20年後には資産は飛躍的に増えており、立派な投資のタネ銭となっているでしょう。

不動産投資

不動産は基本的に借入(ローン)で投資するので、タネ銭がほぼ不要です。銀行からお金を借りて投資をし、家賃収入で返済していく投資法。少しずつ借入を返済し、借入残高が減っていくと売却という1つの選択肢が生まれます。売却により、借入残高の返済をしても手元に残る資金ができれば、これが次の投資のタネ銭になります。

収入と支出のコントロール

収入を増やすか支出を減らすかのどちらかができれば純収入が増え、投資のタネ銭を増やすことができます。

収入を増やすためには本業で結果を出すか、転職あるいは副業、もしくは法人をうまく活用するかです。

支出を減らすためには長期的かつ現実的な目標を立てることが大事です。そして、非効率的な支出を減らすことも大事です。多くの人に共通している非効率的な支出は保険です。その他非効率的な支出がないか、よく点検しチェックしてみましょう。月1万円の支出削減が将来の資産に大きな影響を与えるかもしれません。

マインドセット編

なぜ資産運用をしなければならないのか

資産運用は自分の人生の目標を達成するための手段にすぎません。

たとえば、老後に安定した生活を送りたいという人生目標なら、その人にとって何が障害になって、何が必要でしょうか。まず、障害になるのはインフレ(物価上昇)のリスクです。老後はリタイアしたあとなので年金が主な収入になります。給料と異なり、年金は物価が上昇しても同じように増えるとは限らず、生活がままならなくなるリスクがあります。このリスクを回避するために、物価が上昇すると資産価値が上がる可能性が高い外貨や株式、不動産を保有するのです。

では次に老後に安定した生活を送るために必要なものは何でしょうか。それは安定したインカムゲイン(定期収入)です。年金に加えて、定期的な収入があれば、より安定した生活を送ることができるでしょう。そのために不動産を保有し家賃収入を得る、債券を保有して利息収入を得るわけです。

このように考えると、人生の目標を達成するために資産運用が必要ということがお判りいただけると思います。まずは自分の人生の目標が何なのかをしっかりと考えてから運用を検討しましょう。

投資をする勇気がでない

人間には「現状維持バイアス」があります。これは、新しいことをして現在の状態を失うことを恐れてしまうという心理作用。多くの人にとって、投資は新しい試みです。投資することで、損をしたり、ドキドキすることもあります。投資する前の安定した状態を失うことを恐れて、なかなか投資できないのだと思います。

この現状維持バイアスを超えるためには、まずは少額で投資を始めてみるのが良いと思います。少額であっても損をする感覚や、投資対象の値動きを感じることができます。投資をしたという経験と感覚が、いずれあなたに勇気を与え、投資に対する背中を押してくれることになるでしょう。

落ちてくるナイフを掴む勇気

「落ちてくるナイフをつかむな」という相場格言が存在します。

しかし、「落ちてくるナイフをつかむ」勇気を得ることが大事だと思います。落ちてくるナイフをつかむ勇気があれば大暴落したときに臆することなく投資することが可能でしょう。

2008年のリーマンのときもこの世の終わりという雰囲気で大暴落しましたが、2009年には2008年を取り戻すくらい株価は上昇しました。「歴史は繰り返す」ということを身をもって知っていれば暴落のときにも冷静に投資できます。もちろん短期的にはマイナスになっていいと思って投資をしましょう。

資産配分編

資産配分は資産運用の結果の8割を決めます。ですので、資産運用について考える時間の8

割を資産配分について使います。資産配分は資産運用における「総論」になります。個別に何の株式に投資するかは、資産運用の結果の8割が決まる資産全体の最適な配分が確定してから考えればいいのです。

資産配分を最適化する代表的な8要素

最適な資産配分は自分自身の「人生目標」を頂点とした、以下要素を考慮して検討しましょう。

資産背景

資産規模が小さければ多くの資産への分散は不要ですが、資産規模が大きい場合には、より多くの種類の資産に分散して投資する必要があります。

年齢

若ければ投資期間が長いのでリスクを取って株式を多めに、シニアになるとリスクを抑え債券や国内不動産が多めとなります。

目標リターン

年間の目標リターンの設計です。高ければ株式多めに、低ければ債券多めになります。

投資目的

目的がキャピタルゲイン(値上がり益)、インカムゲイン(定期収入)、タックス(税務)メリットなのかによって投資対象が変わってきます。複合的な投資目的が設定されることが多いです。

資産継承

相続税、相続争いを避ける為に不動産や資産管理会社を活用することがあります。

ライフプラン

自宅を購入する、結婚する、子どもができるなど、ライフプランによって最適な資産配分が変わることがあります。

リスク許容度

どこまでリスクをとっていいかという基準です。そこを超えた投資はしないほうがいいでしょう。

経済条件

経済の見通しについての考えによっても最適な資産配分は異なります。インフレと考えるならば、株式や不動産が多めになるでしょう。

まずはなにから投資する?

まずはコア(中核)資産である株式、債券、国内不動産に投資しましょう。コア資産をしっかり構築したあとにそれ以外のサテライト(周辺)資産に投資していきます。自分がまだコア資産が十分に構築できていないと考えるのであれば、コア資産に優先的に投資したほうがいいでしょう。

コア資産

預金

流動性がもっとも高い資産でいざ資金が必要なときのために、一定額は預金を保有しておくべきでしょう。

株式

資産を大きく成長させるインフレリスクのヘッジのために必要な資産です。

債券

安定的なインカムゲイン(定期収入)を得るために必要な資産です。

国内不動産

資産形成、インカムゲイン、インフレリスクヘッジ、タックスメリット、レバレッジ効果などを得るために必要不可欠な資産なので、コア資産にカテゴライズしています。

サテライト資産

ヘッジファンド

保有資産が多い富裕層であれば検討してもいいでしょう。コア資産への投資がある程度完了してから投資を検討しましょう。

海外不動産

国内資産と比べて難易度が高いですが、保有資産が多い方は検討してもいいでしょう。

コモディティ

金や銀などの貴金属、原油や天然ガスなどのエネルギーを指します。そのものに投資するのは大変なので価格が連動するETFを活用しましょう。

その他実物資産

太陽光発電設備や絵画、ワイン、クラシックカー、時計など投資対象は多岐にわたります。

著者
世古口 俊介
株式会社ウェルス・パートナー代表取締役。資産運用に関する指導・提案を行い、顧客数は300名を超える。
出版社:
あさ出版
出版日:
2021/04/07

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