専門家が選んだマネー本を時短学習
起業1年目の教科書
今井孝
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副業・キャリア
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はじめて、ゼロからビジネスを生み出そうと思ったときにはこの本がオススメ。作者の今井さんが綴る内容は、すごく読みやすく的を射ています。時代が変わっても根本的な考え方は変わりません。起業を考えたらまず手に取りたい良書です。

起業を思いついたら

ありきたりのアイデアでスタートする

多くの人は、「画期的なビジネスしか成功しない」という思い込みから自分のアイデアを無意識で却下し、否定していますが、ビジネスに画期的なアイデアは必要ありません。もっと大事なのは「行動し始めること」です。多くの場合、ありきたりのアイデアでビジネスは十分成功します。スタートしなければ、本当の意味での試行錯誤はできません。ビジネスを思いついたら、まずは小さくやってみましょう。心配しないで、とにかく始めてみることをお勧めします。動き出せばアイデアがビジネスに育っていくのです。

リスクを取らずにスタートする

あなたに合った「安心感のある」やり方を探すことです。「リスクを取る」ということは「大きな損害」を引き受けることではありません。「失敗してもギリギリ受け入れられる範囲での最大の挑戦」のことです。リスクを明確に把握して、損失を被っても金銭的・精神的に大丈夫な準備をすることです。

まだ起業されてない方は、いきなり今の会社を辞める必要もありません。時間をかけずに副業からスタートする方法もあります。時間がかかっているように見えて、心の成長のプロセスにおいては、それが最短距離です。

ビジネスモデルは後から考える

「ビジネスモデルが作れない」という悩みも多いですが、喜んでくれる人がいる限り、なんでもビジネスになります。お金にする方法は後から思いつくものです。今では有名なインターネットのサイトやツールも、最初は収益源がないまま見切り発車したものが多くあります。そして、その後、広告収入を得られるようになったわけです。順番としては、お金は後なのです。

ビジネスに最も大事なのはビジネスモデルではなく「価値があるか」どうかです。最初はお金になるかどうかは気にせず、価値を磨くことに集中してみてください。価値があって人さえ集まれば、そのうちお金にする方法は見つかるものです。

起業までの準備

まず時間を確保する

起業するなら、「まず、時間を作る」のが正解です。スケジュールに「起業の準備時間」を割り振ってしまいましょう。オススメなのは、疲れる前「朝30分だけ起業準備にあてる」というやり方です。これを毎日続けたほうが、まとめて数時間やるより進みます。少しずつ進んでいるときはとても充実感を感じることができます。起業での成功も嬉しいことですが、この日々の進歩そのものがとても嬉しい時間です。

時間確保の、もう1つの鉄則は、「今の仕事を早く終わらせる」ということです。仕事を始める前に、仕事を終える目標時刻を決めてからスタートしてみてください。終える時間を意識するだけで、かなり効率が上がります。

テスト用の予算を用意する

損したときのショックを和らげる方法は、最初から「テスト用の予算」を分けておくこと。起業を進めるときは、「起業→事業化」ではなく、「起業→テスト→事業化」というのが正しいプロセスです。多くの人はテストの段階を認識していないので、損した気分になるのです。起業を意識し始めたら、テストに使う予算を別に取っておくのがお勧めです。

テストからは、広告、新商品、取引先などあらゆる反応が得られ、そこから学ぶことができます。最初の元手は、その「反応を買うため」に支払うお金なのです。学びを活用できる分、失敗せずに1回で成功させようとするより、数回テストして失敗するほうがよっぽど早く成功できます。

ビジネスプランを立てるには

おおらかにお金の流れを見る

収支を見ている期間が短ければ短いほど、出ていくお金が大きく見えます。収支を見る単位を1年や3年という長い期間にするだけで、かなり落ち着いてお金を見ることができるようになります。3年計画であれば、「今年は先行投資」で、「来年から回収」して、「再来年は大きく黒字」にする、というシナリオが描け、最初の1年は赤字でもいいということになります。これで精神的に安心できます。

また、お金が減っていくということは、あなたが未来のために投資ができているという証拠。経営を学ぶための投資、人脈を作るための投資などができていることは経営者として素晴らしいことです。知識、人脈、しくみなど、必要なリソースは逆に増えているはずです。

考えが堂々巡りしてもいい

考えが堂々巡りして答えが出ないことは、起業家であれば誰でも経験することですが、これは必要なプロセスです。私たちは、脳に負荷をかけずに、新しいことを生み出すことはできません。混乱している時間は何もしていないわけではなく、脳が一生懸命に情報の整理をしてくれています。そしてあるとき、急に考えがまとまる瞬間が訪れます。

なるべくこのプロセスを短縮したいという場合、一番早いのは、頭の中のものをすべてアウトプットすることです。例えば、思ったことをすべて紙に書き出します。とにかく、ノートや紙にどんどん書きなぐって頭の中を全部出します。すると、非常に気持ちが落ち着いてスッキリします。自分が考えなければならないことが、すべて紙に書いてあるという安心感が感じられるからです。そして、お茶でも飲みながら、書きなぐったものを眺めます。すると、断片的だったものがつながってだんだん整理され、シンプルに答えが出てきます。

人間は、自分の考えを一旦、自分の外に出してみないと、客観的に自分を見ることができません。紙に書いてみる他にも、人に聞いてもらって、とにかく喋りまくるのも良い方法です。

商品をつくるには

お金をかけずに試作してみる

最初はしっかりした商品を作らないほうが良いことのほうが多いです。テストせずに、いきなり完成品を作らず、「テストに必要なキモの部分だけ作る」のです。キモの部分だけであれば、最低限のコストで何度もテストができますが、すべてを作ってしまってからやり直すのは大変です。

1カ月で1回テストする人より、1カ月で3回テストする人のほうが、成功する確率は高まります。

ですので、何度もやり直すことを前提に、商品開発は進めていかなければなりません。フィードバックを受けて、売れそうだったら詳細を詰めるし、良くなければ改良します。何度も作り直せば、最後には必ず売れる商品が生まれます。良い物を残し、悪い物を改善する。この回数をどれだけやれるかだけの話です。

商品開発に他人を巻き込む

お客様にたくさん意見をもらって作っていくのが商品開発の正しい進め方です。最初のアイデアは大事ですが、お客様からしっかりとフィードバックをもらって改善していきましょう。

ざっくりとしたアイデアが思いついたら、すぐに他人に相談してみます。「どうやって集客するの?」「お客様にとってのメリットはなに?」など、聞かれるたびに何を考えればいいのかが明確になります。大事なのは、自分の頭の中だけで考えることを手放すこと。そして、周りからのアドバイスを、完全に理解できなくても取り入れてみることです。

価格を設定するには

自分の都合で価格を決める

価値を感じてもらえたら、いくら高くても商品は売れます。価格をしっかり設定して、商品を磨き価値を伝える工夫をしていけば、最後にはビジネスはうまくいきます。商品を磨き価値を伝えることは、経験を積むうちに何とかなりますが、安い価格でのビジネスは物理的な限界が早いのです。

「この値段で満足してもらえるだろうか?」という「売った後の不安」と、「この値段で自分がこの商品を売れるだろうか?」という「売る前の不安」の2つを解消すれば、自信を持って利益の出る価格設定をすることができます。

まず、1つめの不安は、「お客様に満足してもらえるまで価値を提供しよう」と覚悟することです。

そう決めていたら、相手が不満になる心配が消えてなくなるからです。そのためにも、クオリティを上げて価格を高く設定したほうがお互いにいいわけです。それに、実際は人は払った金額が高ければ高いほど、満足感を感じるものです。また、高い価格で買ってくれる人ほど紳士的ですし、クレームもほとんどありません。

2つめの不安については、これもまた自分自身の覚悟です。この価格で商品を広めるために、商品コンセプトを作り、価値を伝えよう!そして、価値を感じてくれる人を見つけるまであきらめない、という覚悟です。

安い値段でも最高の仕事をする

起業当初に安い値段で仕事を頼まれたときは、相手を驚かせるぐらいのクオリティの高い仕事をすることです。相手の期待を大きく超えれば、その人は次の仕事を依頼してくれるかもしれませんし、口コミであなたのビジネスを広めてくれるかもしれません。

起業したばかりの頃は、「チャンスをあげよう」と思って仕事を依頼してくれる人も多くいます。その人は、「どの程度の仕事をしてくれるのか一度試してみたい」と考えています。ここで、「安い値段だから、これぐらいでいいだろう」と手を抜いてしまうと次の仕事につながらなくなります。相手は商品のクオリティだけでなく、こちらの姿勢も見ています。手を抜かないあなたの姿勢によって、次の仕事が舞い込むのです。

マーケティングとセールスを行うには

まず仲間を増やす

営業力というのは、知らない人を説得する力ではなく「応援される力」です。まず、身近な人の評判がよければその友達に広がっていき、そのうちまったく知らない人が買ってくれるという流れが普通です。

営業のためではなく、仲間を見つけにセミナーや交流会へ行くのは最初のころにはおすすめです。いっぺんに大勢と仲良くする必要はなく、1人ずつでいいのです。広がった仲間と協力し合うことで、お客様が見つかるわけです。

商品がなくても情報発信する

ビジネスは究極的には商品ではなく、あなたの「世界観」を売っているのです。世界観に共感してくれるお客様とつながることが一番の資産です。お客様さえいれば、どんなことでもビジネスになるので、商品はあとからでもよいのです。世界観を明確にすることが商品よりも先です。

まずは練習でアウトプットしてみて、徐々に自分の世界観を明確にしましょう。話し、語り、もう一度考え直すプロセスで、考えがまとまってきます。発信しているうちに、自分が伝えたいものや作りたい世界がわかってきます。フィードバックから自分への理解も深まります。

100点が無理なら部分点を稼ぐ

ビジネスがうまくいっている人でも、一発で結果が出せるわけではありませんが、彼らにとってはそれが普通です。思った通りに売れなくても、そこからアイデアを出して、なんとかしようとします。

結果を出している人は、100点は無理でも、なんとか40点、50点ぐらいまではもっていこうと粘ります。目標には達しなくても、採算レベルには持っていく、あるいは、赤字にはなっても人脈や顧客リストを手に入れたりと、及第点までは力技で持っていくわけです。ダメなら次に活かすというより、「その場で改善してなんとかする」という感じです。

うまくいかないときになんとか及第点に持っていくということができるようになれば、大成功するのは時間の問題です。うまくいっている人は、「なんとかするのが楽しい」という感覚のようです。

成功する起業家の時間術

最初はあえて限界まで忙しくしてみる

起業した最初の3年は、無理だろうというぐらいに予定を入れ、限界を体験してみてください。ワケがわからなくなることもあるでしょうが、それが成功のプロセスの一部です。

数をこなしていくうちに、仕事の効率も、勉強の効率も高まってきます。向き不向きや、自分にとって良い仕事・悪い仕事がわかってきます。自分よりベテランの人とチームを組んだときは相手のスピードに食らいついていったら、想像以上に自分が早く成果を出せたことに感動するかもしれません。無理だと決めているのは自分の常識であって、やってみるとできるものです。仕事の効率はこうやって限界の体験をしたときに、最も高まります。

今日1日の仕事に集中する

最終ゴールの途中に、小さなゴールをいくつも設定し、一番近くの手の届きそうなゴールだけ見ると、やる気が出てきます。

日々小さな目標をクリアすれば達成感を感じます。日々のモチベーションを保ちつつ、大きなゴールに到達するには、ゴールから逆算して「日々やること」を見つけることが大切です。慣れてくれば、「どんな大きな仕事でも、時間をかければできる」ということが腑に落ちてきます。

人より長期的に考えられるだけで、成功に近づくといってもいいかもしれません。

情報をスピード処理する「箱」を持つ

膨大な「データ」から、必要な「情報」だけをピックアップして、短時間で処理することが大切です。情報が多いと感じるのであれば、データを「全部読もうとしている」のかもしれません。大切なのは、「どこが大事なポイントなのか?」を早くつかむことです。

最初は難しいかもしれませんが、共通点を探しながら情報を入れていくと、徐々に見えてきます。お勧めは、一時に同じテーマを集中して勉強することです。同じテーマの本を何冊も読んで、調べましょう。すると、「あの本でも、この本でも同じことを言っているな」と、だんだんと頭が整理され、重要なポイントがわかってきます。

そして、自分なりに情報を整理する「箱」を作りましょう。私は「ビジネスモデル」を見るときには「集客方法」「提供価値」「課金方法」の3つに整理して見ています。どんなビジネスでも素早く見極めることができるので、新しいビジネスの理解や、コンサルティングに役に立ちます。自分なりの「箱」、すなわち物事を見る観点を持てば、情報処理スピードは劇的に早まります。

チャンスを最大限に活かす

チャンスにはまず乗ってみる

チャンスが来ているときに、心の準備ができるまで待っていると、多くの場合、そのチャンスを逃してしまいます。他の人が躊躇していて、うまくいくかわからないときに始めるからこそ、それはチャンスになります。それに、早いタイミングでチャンスに乗れば何度もやり直しができます。

また、新しいメディアやツールを、理解してから始めようとすると、いざやろうとしたときにはブームが去ってしまって、効果がなくなるということもあります。成功している人は、なんでも早く理解して使いこなす人ではありません。彼らは、ワケがわからないまま使うから、たまたまそのうち1つか2つがうまくいって成功しているわけです。

起業家のチームづくり

「助けてくれる人リスト」を作る

起業家とは、1人ですべてを行う人ではなく、足りないリソースを周りから集めて、ビジネスをやり遂げる人のことを言います。一流の人たちは、助けを求めるのは恥ずかしいこととは思っておらず、他人に助けを求められます。ぜひ、「助けてくれる人のリスト」を作っておきましょう。専門分野、精神的なサポートなど、知恵を借りられる人を周りにたくさん持っておきましょう。

有力者にかわいがってもらう

すでに成功している有力者は、人生を変えるような大きな可能性を与えてくれます。次のステージに上がるためにも、ワンランク上の人との付き合いをしてみることをお勧めします。接する機会が増えていくと、彼らがなぜ成功しているのかがわかってきます。どんなふうに考え、人と接し、行動しているのかがわかると、あなたのビジネスも良い方向に持っていくことができるでしょう。

本当の意味で成功している人ほど、親身になって応援してくれます。人は夢を叶えることができることを、自分の体験をもとに理解しているのです。もし、そういった方の交流会があれば、勉強のため参加してみるのも良いと思います。

もちろん、仕事や人脈を使ってチャンスを頂けることもあるかもしれませんが、それはあくまでもきっかけで、そこから先は自分の実力です。成長する機会を頂いていると考えるのがよいでしょう。

著者
今井孝
株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング 代表取締役。大阪大学大学院卒業。大手IT企業に約8年在籍し、新規事業を成功させる。独立1年後に始めたセミナーには、10年連続で毎回300人以上が参加。トータルでは、6千人以上になる。
出版社:
かんき出版
出版日:
2015/6/17

※Bibroの要約コンテンツは全て出版社の許諾を受けた上で掲載をしております。

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