専門家が選んだマネー本を時短学習
人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略
田村 正之
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税金・保険・年金
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公的年金、イデコNISA 制度、投資の仕方など全てがわかるてんこ盛りの一冊。気づきにくい注意点も網羅された老後の資金の殖やし方の王道本です。著者である田村さんは日経解説委員。証券アナリストで社会保険労務士。投資も年金もわかるプロフェッショナルです。老後資金をしっかり作りたい人。非課税制度、公的年金をうまく活用したい人には特におすすめの一冊。- 井戸 美枝 -

超高齢化社会では老後資金をどう確保するか

今の日本は超高齢化社会です。日本の平均寿命は男性で85.1歳、女性は89.9歳。しかもこれはあくまで平均であり、厚生労働省の調査によると、1960年生まれの女性の場合、100歳まで生きる人の割合は2割を超えるというデータも出ています。

まずは「日本の年金制度」を学ぶ

「老後2,000万円問題とか言われてるし、とりあえず2,000万円用意しておけば大丈夫」とニュースを鵜呑みにしてしまうと、万が一長生きしてしまった場合、資金が底を尽き、「こんなはずでは……」となってしまう可能性もあります。

iDeCoやNISAなど、日本のあらゆる税制をフル活用し、将来へ備える事が必要です。

様々な税制を活用することで、将来受け取れる金額を数千万円単位で変えることも可能です。

老後のために資産形成をしていく上で、まずは日本の年金制度についてよく知っておく必要があります。「将来国がどこまで保障してくれるのか?」を把握していなければ、「追加資金として自分でどこまで貯めておく必要があるのか?」を知ることはできません。

ここでは世の中でよく取り上げられる疑問や間違いについて紹介します。

本当に維持できる?「日本の年金制度」の真相

実は公的年金はじわり減っていく可能性は高いものの破綻はしないし、老後の生活設計ががらりと変わるほどの大幅減額になる可能性は小さいでしょう。

日本の年金制度破綻は考えにくい

今の日本の年金は、自分が積み立てたお金を将来の自分がもらう「積立方式」ではなく、今の現役世代が払った保険料が今の受給世代の年金として支給される「賦課方式」です。いわば、社会全体で若者が高齢者に「仕送り」を行っている状態。

そのため、少子高齢化で受給世代が増え、現役世代が減ると制度がもたなくなるように見えることから、「日本の年金制度はいずれ破綻する!」と言われることがよくあります。しかし、実際はそうではないのです。

一般的にニュースなどで取り上げられるのは少子高齢化が進むにつれて若者(分母)は減り、高齢者(分子)の割合が増え、若者1人当たりの負担が大きくなるというものです。

しかし、年齢で分けて考えるのではなく、「非就業者1人を就業者何人で支えるのか」が重要になります。そして1980年から2040年まで、その割合はほとんど変わっていないのです。

少子高齢化は進みますが、高齢者や女性の社会進出が進むことで、就業者(分母)の割合が維持されているのです。

一方で年金受給者(分子)は、今後十数年は増加傾向にありますが、2040年前半をピークに団塊世代の方が亡くなっていくことなどにより減少に転じ、それ以降、非就業者と就業者の割合はほぼ一定になるといいます。

今後も若者の年金負担が大幅に増加したり、年金制度自体が破綻するというのは考えにくいでしょう。

日本が年金制度を維持できている理由

米国や英国、フランスなど他の先進国の多くは、年金の支給開始年齢を引き上げる方向に向かっています。しかし日本では、支給開始年齢の一律引き上げはもはや検討すらされていません。

日本では、上記の国にはない「マクロ経済スライド」という制度を導入しています。「マクロ経済スライド」とは、「現役世代の増減率」から「平均余命の伸び率」を差し引いた分だけ、今の年金支給額を差し引くという仕組みです。

簡単にいうと「現役世代が減ったり、年金受給者の寿命が伸びたりしたら、若者だけに負担がいかないように、一部は今の年金支給額からも差し引くよ」というものです。

この「マクロ経済スライド」は現在の年金受給者にも痛みを負担してもらえる仕組みであるため、日本では他国が採用するような、若者だけに負担が偏る一律支給開始年齢引き上げを行わずに、年金制度を維持できているのです。

「日本の年金は危ない!」と様々なメディアで言われますが、ちゃんと中身を調べてみれば、実はとても充実した制度になっていることがわかると思います。

老後に必要な資金は人それぞれ

一時期ニュースで「老後2,000万円問題」が取り上げられていたこともあり、「老後までに2,000万円貯めておかないとまずい」というイメージがある方も多いと思います。

しかし年金の仕組みというのは複雑なもので、「会社員なのか自営業者なのか」「共働きなのか片働きなのか」「年収はいくらなのか」など、もらえる金額はその人の状況によって大きく変わります。

また老後の「支出」も、「持ち家なのか賃貸なのか」「老人ホームに入るのかどうか」「どの程度ゆとりのある生活をしたいのか」など、条件は人それぞれです。

そのため、「定年までにいくら必要かも人それぞれ」であり、一概に「いくら必要」と決めることはできません。

いくつかのパターンを想定し、それぞれの条件ごとに、定年までにおよそどの程度の貯蓄が必要なのか、自分がどのような老後を過ごしたいのか、いくら必要なのかをぜひ検討してみてください。

年金の本質は「保険」

年金の話をすると、「年金って、払った分のもとは取れるの?」と聞かれることがよくあります。結論としては、国民年金は半分が税金でまかなわれ、厚生年金は半分を会社が負担しているため、基本的にはプラスになる可能性が高いでしょう。しかし、年金の本質はあくまでも「保険」であり、「損か得か」という切り口で見るべきではないのです。

年金は老齢・障害・死亡「保険」

そもそも年金は、

「老齢のリスク(長生きで資金が途絶えるリスク)」

「障害のリスク(病気やケガで働けなくなるリスク)」

「死亡のリスク(大黒柱が亡くなって遺族が困るリスク)」

以上の3つに備えるための「保険制度」です。そして「保険」とは、誰かが困っているときに互いに助け合う「共助」の仕組みです。

自動車保険に入る際には「この保険に入ってもとが取れるのか?」とは考えないのに、年金のこととなると、なぜか損得勘定で考えられることが多いもの。公的年金への不満の多くは、これが保険であるということを忘れているところからきているようにみえます。

繰り下げ受給で保険としての機能をさらに発揮

年金を「長生きしてしまったときの保険」として有効活用する1つの方法として、「繰り下げ受給」があります。

今の日本では、一般的な年金受給開始年齢は65歳ですが、受給開始年齢を60歳〜75歳までの間でずらすことができ、そのうち受給開始年齢を後ろ倒しにすることを「繰り下げ受給」といいます。

繰り下げ受給をすると当然受け取り始める年齢は遅くなりますが、その分毎月の支給額は増え、1ヶ月受給を遅らせるたびに0.7%受給額がアップします。

もし75歳まで繰り下げた場合、受給額はなんと65歳受給時と比べて84%増加することになります。そうすると、75歳以降の資金については多くを年金で賄うことができます。

その場合、「定年から75歳までにいくら必要なのか?」を中心に把握すればよくなるため、将来設計が立てやすくなるというメリットがありますね。

正しい知識を得ることが第一歩

日本の年金への批判は、多くが中身を理解していない人や金融機関による意図的な拡散が原因です。老後の不安を解消するためには、メディアに振り回されず、国の保障範囲と自己責任範囲を理解することが重要です。

著者
田村 正之
日本経済新聞編集委員。著書に『人生100年時代の年金戦略』『税金ゼロの資産運用革命』『老後貧乏にならないためのお金の法則』など。経済小説『青い約束』(ポプラ社)は13万部のベストセラー。
出版社:
日経BP
出版日:
2021/12/16

※Bibroの要約コンテンツは全て出版社の許諾を受けた上で掲載をしております。

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