著者は3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝えてきたコンサルタントの今井孝氏。
本書は「ゼロからお金を生み出す時に必要なお金の知識」を紹介するビジネス本です。
本書は「投資や資産運用」、「会計や財務」の話ではありません。自分の持つ知識や能力に適切な値段をつけ、その知識や能力を様々なお客さんに売れるようになるための「お金の知識」を紹介する本です。
ここでは本書より一部内容を抜粋して紹介します。
お金を生み出す人たちは特別だと思っていませんか? 実はそんなことはなく、お金を生み出すのに、特別な才能やスキルは必要ありません。お金を生み出している人とそうでない人の違いを解説します。
もし、自分の力でお金を生み出せたら、嬉しくありませんか? あなたの人生はどう変わるでしょうか? 会社にしがみつく必要も、職場の人たちに気を使う必要もありません。自分の好きなことだけをして、好きな人とだけ付き合って、しかも沢山の人に喜ばれて、お金も自然に集まってくるのです。
「私にはお金になるような取り柄がありません」と多くの人が口にします。しかし、お金を生み出すのに、特別な才能やスキルは必要ありません。今まで、私は自分の力で稼ぎたいという人を数多くサポートしてきましたが、「何もない」なんて人は誰一人としていませんでした。誰もが普通の人、そんな人が独立して自分の力でお金を生み出しています。中には想像以上のお金を生み出す人もいます。
自分でお金を生み出している人は、本当は特別な才能や、高度なスキルを持っているのでしょうか。もしくは起業家・経営者になるために、ものすごい技能を身に着けたのでしょうか。実際はそうではありせん。自分の好きなことでそこそこうまく行くというぐらいであれば特別な才能は必要ありません。
同じ才能やスキルを持つ人でも、一方は自分の力でお金を生み出し、もう一方は自分は何もないと思ってしまいます。これはお金が生み出せないのではなく、お金が受け取れないからです。
お金が生み出せない人には7つの思い込みがあります。
・お金を生み出せるネタや商品がない
・こんなことでお金をもらっていいの?
・自分よりすごい人に提供できるものはない
・他にも同じことができる人がたくさんいる
・新しくて画期的なサービスでなければならない
・知らないことだらけで勉強しなければならない
・自分には経験も実績もない
このような考え方は単なる思い込みです。
なぜお金が受け取れないかというと「給料でしかお金をもらう経験をしていない」というのが大きな原因です。いざ自分でお金を生み出そうとしても、「これだけのことで、こんな金額をもらってもよいのか?」というブレーキを感じるからです。
多くの人は、お金が生み出せない原因は「お金が受け取れないから」ではなくて、「スキルが足りないからだ」とか「知識が足りていないからだ」と錯覚してしまいます。そしてスキルを身に着けることに躍起になり、いつまでも学び続けて、遂には力つきて諦めてしまうのです。
お金を受け取れるようにするにはお金に関する正しい知識を学ぶことです。ここでいう本当に正しいお金の知識とは会計や財務ではなくゼロからお金を生み出すための正しい知識です。お金に関する正しい知識を手に入れると、自分のスキルや知識の価値を理解できます。そして堂々とお金を受け取ることができ、今の自分をより高く売ることができます。そして、ゼロからお金を生み出せるようになるのです。
これにより自分に自信が持てるようになりお金への不安がなくなります。正しいお金の知識とは、人間の欲求について知ることです。そしてお金に関する正しい目標設定を行い、ゼロから徐々に大きなお金を作っていくステップを踏むことです。
人間の欲求を理解すればいくらでもお金を生み出すことができます。お金を生み出している人の考え方や、欲求に合わせたアピールポイントについて解説します。
お金を生み出している人は、「自分の提供しているものの価格は安い!」と思っています。そして「今の自分にはもっと価値がある」「もっと多くのお金をもらっていい」という自己認識を持つことで、躊躇なくお金を受け取れるようになります。
サービスの価格が「高い」か「安い」かは、お客様の欲求の強さで決まります。人によって感じる価値は違います。また、同じ人でも気分によって価値の感じ方も変わります。つまり価値や価格は「考えるもの」ではなく、「感じるもの」です。
例えば人はなぜ旅行に行くのでしょうか?それは満たしたい感情があるからです。つまり商品やサービスにおいても満たしたい感情があるからお金を払うのです。お金を生み出せない根本的な理由は「相手の欲求を知らない」だけなのです。自分のスキルをみがくよりも相手の欲求を理解するだけで、本当に自然とお金を生み出すことができるようになります。
そして、長い間お金を生み出すサポートをしていて確信していることは「どんなものであっても、お金を出してくれる人は必ずいる」ということです。なぜならどんなサービスでもそれを好む人が存在するからです。
相手の欲求が分かれば商品やサービスを買ってもらうのは簡単です。同じものでも提供する相手とアピールポイントを変えれば、途端に価値のあるものに変わるのです。
人は期待する「結果」にお金を払います。例えばITサポートをする場合、クラウドソーシングなどの単価は数千円です。しかし、Uさんの場合は30万円という単価で販売しています。
それは作業をするだけの下請けではなく、お客様のビジネスを成功させるためのトータルサービスを提供しているからです。つまりUさんは単発の「作業」ではなく、ITのトータルサポートでもたらされる「結果」を売るようにしたのです。費用対効果を考えれば、お客様にとってこの単価でもリーズナブルなのです。
そして人は欲求が強ければ強いほど、大きなお金を支払います。特に「人間関係」「お金」「健康」という3つの欲求に関して大きなお金を支払います。これらに関してはお金を払ってでも解決したいと思うからです。サービスの単価を上げたいのであれば、これらの欲求を扱えばよいのです。
また、欲求とお金の原則として最後に挙げるのは「人は価格に換算すると価値を実感する」ということです。人は期待できる結果に対してお金を払います。結果を価格に換算することで、よりその価値を高く感じることができるのです。
人間の欲求を知ることがお金を受け取ることのカギだと説明してきました。相手の欲求を知るためには、何に困っているのか? 何を苦痛に感じているのか? なぜそのサービスを受けているのか? また、解決することでどんな理想の状態に到達したいのか?を確認するなど相手のエピソードを聞くことです。これは本当に簡単にでき、相手の欲求を疑似体験できる最強の方法です。相手を知れば知るほどお金を生み出せるようになります。つまりエピソードに感情移入すれば売れるということです。
次に自分が価値を感じたサービスは売れる傾向があります。それは自信をもって提供することができるからです。また、相手の労力を省く=お金になります。「時間や労力をかけたくない」という理由でも人はお金を払います。その苦痛を避けられるとしたら安いと感じるからです。
お金に関する7つの思い込みをもっている方が多いです。この章ではそれらの思い込みについて解説します。そしてお金に関する正しい目標をもつことの重要性についても解説します。
あなたは、次の7つの思い込みをもっていませんか?
たくさんの人に買ってもらわなければならない
すべての人に認められるものを提供しなければならない。
お金をもらったからには結果を100%出さなければならない。
差別化しなければならない。
ナンバーワンにならなければならない。
すごい人にならなくてはならない。
成功しなければ価値がない。
お金を生み出したことがなければ、このような思い込みを持ってしまう危険があります。そしてこのような思い込みを持っていると、お金を生み出すことがとてもつらくなってしまいます。
まず、たくさんの人に商品を買ってもらう必要はないのです。そして、すべての人に認められる必要もありません。「必要な人だけ買ってくれればいい」と割り切ることが重要です。
また、結果を100%出す必要もありません。サービスを提供しても行動するのはお客様です。つまり結果を出すためには本人の努力が必要だからです。そして、差別化やナンバーワンである必要もありません。消費者の視点にたち、「自分は一番のものしか買わないだろうか?」と問いかけてみてください。実際はそんなことはないと思います。そしてすごい人になる必要もありません。成功している人は自分が普通の人であることを認識しており、ダメな自分を前提に計画を立てています。
そして最も重要なことは成功しなくてもあなたには価値があるということです。価値には「人間的価値」と「市場価値」があり、2つは異なります。ここで扱っているのは「市場価値」です。これは相手が感じる価値であり、価値があるかどうかは相手の欲求の強さで異なります。収入や売上が増えようが人間としての価値は変わりません。ですので、お金の認識をリセットして、ストレスのない、お金に関する正しい目標をもってください。
まったくの初心者がゼロからお金を作って生み出すには、小さくステップを踏んで進んでいくことが鉄則です。
うまくいかないのは最初から大きなお金を稼ごうとするからです。まずは小さなお金を生み出し、それを少しずつ大きく育てていきましょう。そのためには相手の欲求を理解していくステップが大切です。
自分のサービスでお金をもらうということは、初心者にとって大きなチャレンジです。この
時に大事なのが、安心を確保しながら進めることです。例えば「フリーランスで食べて行きたいけど会社を辞めるのが怖い」という方は初めは副業から始めてみる。失敗したときに帰れる基地を確保して、徐々にチャレンジしていきましょう。
そして最初のステップにおいて重要なのは、「相手の欲求を知る」ということと「自分がどの欲求を満たせるか知る」ということです。これらを理解したうえで目の前の一人を大切にすると道がひらけます。
お金を生み出すためにまずやってほしいのが、「居場所」を作ることです。一人で新しいことに挑戦するのはとても大変だからです。自分で仕事をしている人たちと接していると、お金を生み出すことをとても身近に感じられます。
次に短期間に練習を重ねることです。まずは無料体験からはじめてみると、「無料ではもったいない、お金をもらってもいい」と思えるようになってきます。つまりお金をもらえることへのハードルを超えることができるわけです。
そして、すぐに自分でビジネスを始めるのではなく、教えてくれた人のサポートをさせてもらうステップを踏みましょう。その後、モニター価格で自分のサービスを提供し、最後には定価に戻すのです。こうしてサービスを提供していき、相手からのフィードバックをもらいながら選ばれる理由を分析していくと自分だからこそ提供できるものに価値があることに気づいていきます。
最終的に必要なのは自分の価値を自分で認めることです。本当の意味で人からの感謝を受け取って、その感謝で自分を満たしてください。
お金と満足感には深い関係があります。まずお金を受け取るために重要なことは、「相手が満足してくれる」と確信していることなのです。しかしサービスを提供しても結果を出してもらえないことがあり、まだ確信を持てない人もいると思います。例えば第一志望の学校に合格できなくても、塾の先生に涙を流しながら感謝を伝えに来る生徒もたくさんいます。つまり満足感は結果だけではないのです。
逆にすごい結果が出たのに解約されるケースもあります。結果ばかりに執着することで相手の精神的負担になると、逆に満足させられないのです。満足感を与える原理を解説します。
人はチャレンジしている瞬間にこそ、最大の満足を得ることができます。一人だと不安だし、なかなか続けられませんが、誰かがサポートしてくれるとしたら安心です。サポートしてくれる人が一生懸命な姿だと心を打たれませんか? そしてそういう人に仕事をお願いしたくなるものです。
また、楽しさも重要な原理です。結果が出るまで苦しいだけで、まったく楽しくないサービスというのは人気が出ません。エンターテインメント性があるから続けられるのです。
そして、信じて応援してくれる人には大きな感謝と満足感を得ることができます。サービスを提供する側にとって大事なのはこの「信じる」ということなのです。どんな達成感よりも自分を認められた時の気持ちのほうが深く大きい満足感を得ることができます。自分を認められる、自分を好きになるということは、すべての人間の人生のゴールなのです。
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