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株はゲリラ豪雨で買い平均気温で儲ける
森 和夫
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株式
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本業を持つサラリーマンや個人事業主兼投資家は大暴落に陥った場合、焦って株を投げ売りしてはいないでしょうか。長期的に見れば、ゲリラ豪雨のような大暴落も平均回帰の法則により、やがて株価は平均値に回帰していきます。天気と投資はいずれも「統計」や「確率」がモノをいう共通点があります。ゲリラ豪雨のような大暴落では、永続的に伸びていく会社の株も暴落するため、安価で購入するチャンスです。今回紹介する『株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」では、気象予報を生業としてきた著者が天気をヒントに確立した投資法を解説していきます。- 小笹 俊一 -

株は「ゲリラ豪雨」を狙え

日中働いているサラリーマンや個人事業主兼投資家が、市場の動きを常に注視するのは不可能です。このような方々は、短期で儲けるのではなく、自分や家族が一生困らずに生活できる資金を作る長期の資産形成を目標にすべきです。

本著では、一生涯持っていられる銘柄は「桜前線銘柄」、「太陽銘柄」と表現します。

「桜前線銘柄」とは確実に北上していく桜前線のような、本業に圧倒的な強みがある「強い会社」であり、配当や株主優待などを期待できる「持っていてわくわくするような企業」です。そして「太陽銘柄」とは、桜前線銘柄の性質を持ち、さらに同じ業界内に強力な競合がいない、唯一無二の「太陽」のような企業です。

桜前線・太陽銘柄の投資に関して、あえて雨の中、果敢に外へ打って出るような「攻めの投資法」を紹介します。

株で果敢に攻め入る際に、気をつけるべき「価値」とは?

投資するべき銘柄について、まずは個別銘柄の「価値」が大事です。天才投資家ピーター・リンチ、世界ナンバーワン投資家のウォーレン・バフェットも価値について「重要なのは企業価値で目先の株価ではない」と言っています。

しかし、現実は企業価値と価格にかい離があります。では、これをどう投資戦略に組み込むのかを具体的に紹介します。

株投資は「ゲリラ豪雨」こそがチャンスになる!

「割安株投資」という、株価が実力以上に安く放置されている企業を見つけて投資を行う手法があります。割安株投資では企業の財務諸表を分析し、企業の実力(企業価値)と株価(会社の価格)にかい離があるものを定量的、数値的に見つけ出し、先回りして投資をします。買うタイミングは桜前線・太陽銘柄がお買い得な時。それはズバリ「暴落」が起きた時です。

暴落とは、一般的には市場平均株価の変動率が数日間で2ケタの低下をした場合とされています。バブルに沸いていた市場が急転直下、奈落の底へ落ちていくような暴落は「ゲリラ豪雨」のようなものです。ゲリラ豪雨のような暴落時は、たとえ「桜前線銘柄」「太陽銘柄」のような強い企業であっても、株価は大暴落します。

暴落は経験豊富な投資家でさえ「企業価値」の判断を誤ります。サラリーマン投資家はもちろん、投資のプロでさえも価値ある株を投げ売りしてしまうのです。しかしゲリラ豪雨の時こそ、持ち株を投げ売りせず桜前線・太陽銘柄のような価値ある銘柄を買い増します。これが、投資法の1つ「ゲリラ豪雨投資法」なのです。また、大暴落時に割安で価値の高い株を購入するために、普段は安易に株を買わないようにしましょう。

ゲリラ豪雨投資法は長期保有を前提として「桜前線・太陽銘柄」を所有し続け、株価が下がったくらいの理由では売らないのが大原則です。強い会社は必ず平均回帰の法則で適正価格に戻り、さらに業績と連動して株価も上昇していきます。だからこそ、強い会社を安値で購入できる暴落時こそチャンスなのです。

「100年に一回の暴落!」という世間にはびこる大ウソ

「暴落なんてそんなにしょっちゅう起こるの?」と疑問もあるでしょうが、割とあります。

  • 1929年「暗黒の木曜日」
  • 1987年「ブラックマンデー」
  • 1989年「バブル崩壊」
  • 1990年代後半「不動産バブル崩壊」
  • 2000年代初頭「ITバブル」
  • 2008年「リーマンショック」

大規模な暴落は思った以上の頻度で発生しています。

暴落の前にはバブルがあるものです。ただし、バブルとは暴落があったあとに認識されます。「まだあがる!」と欲に目がくらんでしまうと冷静な判断を下せません。バブルと暴落は繰り返されるという歴史的構図をあらかじめ理解しておくと、意外と頻繁にやってくる「100年に一度」に対して、正しい行動をとれるはずです。「暴落=バーゲンセール」と心得て、ゲリラ豪雨投資法でチャンスをつかみにいきましょう。

周囲の喧騒に気をつけたい、市場の「エルニーニョ現象」

それでは、暴落の兆候をどうキャッチすればよいのでしょうか。はっきり言うと、世間の投資熱があがっているのを感じたときは、暴落が近いと考えていいでしょう。

具体的にはテレビや新聞、ネットで「バブル」が噂されるようになるのが兆候の1つです。また、それまで株と縁が無かった友人が「投資をしたい」と話していたり、周囲が「臨海地域のマンションを投資用に買っておくか」などと騒ぎ始めたりするのも、暴落の兆候です。

発生後は大規模な異常気象が起きるエルニーニョ現象のように、世間の投資熱が過熱している時は高値掴みのピンチで、投資をしても百害あって一利なしです。

リーマンショックは割高株の一大バーゲンセールだった!

実際に暴落が起きると、平静を保つのが難しくなってしまうかもしれません。しかし、暴落はチャンスでピンチではないと自分に言い聞かせ、勝負するのが大事なのです。

リーマンショックが起きた影響で、当時80万円ほど出さないと最低株数も買えなかった銘柄が、約28万円で買えた場合もあります。現在、この会社の株価は4倍以上となっています。

これは「桜前線銘柄」を購入したためで、企業価値は変わっていないにもかかわらず、ただ市場でのみ価格が乱高下したから起こったのです。

暴落時に桜前線銘柄を安い値が付いた時に購入し、放っておく、たったそれだけで十分資産が増加するのです。

株価の割安、割高の判断は感覚ではなくPERを基準に

企業の割安性をはかる指標の1つに、「株価収益率(PER)」があります。PERは株価を「一株利益(EPS)」で割ったものです。

PERを求めると、時価総額(=株価×発行済み株式数)が純利益の何倍まで買われているか分かります。これにより、気になる銘柄への投資分が、どれだけの年数で回収できるかをある程度理解できるわけです。

PERが約10倍以下だと割安と考えられています。しかし業界により伸びしろが異なるので、異業界の企業を比較するのは注意が必要です。

PERだけでは割安性を判断するわけにはいきませんが、目安の1つにはなるので購入する際はPERを確認してみましょう。

天気予報も株価のチェックも、気が向いたらでOK!

天気予報は毎日チェックしますが、株価のチェックは月1回程度でいいでしょう。

強いて言うと、100万円単位で資産が減っていった場合は、株式市場が冷えて割安になってきている状況だと判断し、「そろそろ買う準備をしようかな?」と考えます。

持ち株の合計が10%ほど減ったら注意深く見る、20%以上減ったら買う準備、30%ほど減ったら実際に買うくらいの気持ちで十分です。

テクニカルチャートを見ても桜前線銘柄は絶対につかめない

ここで「チャート神話」の危険性を指摘します。台風の転換点は予測が難しいように、株式相場のチャートの上げ下げの転換点はまったく予測不可能です。

株価の未来を予測するのは難しく、チャートは後解釈でもっともらしく説明できます。わかるのは、価値あるものは平均回帰で長期的に適正な価格に戻るだけなのです。

投資の勝利をたぐり寄せる、「8割はガマン」という事実

桜前線・太陽銘柄を購入する機会は、まず「ゲリラ豪雨」が一番のチャンスです。しかし実際は安値の買いチャンスはなかなかやってきません。8割がたはガマンの時期で、実際に行動を起こせる機会は2割程度です。

そして、ガマンしている間は企業業績や世の中の動きといったファンダメンタルを、なんとなくでもいいので調べたり考えたりするのが重要です。

そのうえで「桜前線・太陽銘柄を選ぶ→割安になるまで待つ」手順を踏めば、投資での成功へと大きく近づけるはずです。

著者
森 和夫
一般財団法人日本気象協会に勤務。気象予報士。投資歴約15年。バリュー投資をベースに、リスクを考慮した成長株投資・配当重視投資のバランス型運用を実践。平均10%、近年実績16.5%のリターンで資産を4倍に増やす。
出版社:
ビジネス社
出版日:
2018/05/22

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