これから資産運用を始めようというあなたの第一歩として、まずは資産運用の選択肢と米国株について理解する必要があります。
投資の商品は、株式や投資信託のような実際に存在する資産(実物資産)と、為替やFX(外国為替)のような実在しない資産(金融資産)の二つに大別することができます。
一般の会社員が手堅く運用をしていくのであれば、「実物資産」の株式を選ぶべきです。
中でも経済大国であるアメリカの株には注目です。
個別銘柄への投資ではなく個別銘柄が多く含まれ分散された米国株式インデックス投資信託が良いでしょう。リスクを安定化し、かつ収益を上げていくことができます。
次に、米国株式インデックスの中でもとりわけおすすめな、S&P500インデックスについて見ていきます。
S&P500インデックスは、500社の米国株式を組み入れた指数です。
日本人には馴染みがないかもしれませんが、米国人には米国の代表的なインデックスと理解されています。
S&P500社の時価総額は、米国全体の株式時価総額の80%をカバーするといわれます。
S&P500の銘柄(会社)には、Apple Inc.(アップル社)やCoca-Cola Company(コカ・コーラ)など、日本人にも馴染みのある会社が多いでしょう。
さらにS&P500は随時銘柄の見直しが行われており、米国経済のトレンドを把握するには最適のインデックス。S&P500を持つことは、米国全体を持つイメージなのです。
一般的に投資の初級者には、個別銘柄の金額変動リスクを分散できる投資信託が良いといわれています。投資信託を保有することで、ブレ幅をできるだけ抑えて、かつリターンを得ることができます。
ただし、「すべてのお金をS&P500に投入する」ことは、賢い方法とはいえません。
自分の資金の一点集中は、望ましい結果を得難いのです。
また、米国株式S&P500インデックス投資は、長期の資産運用の際に選ぶべき商品。具体的な投資期間として、7年以上の時間軸を考えましょう。
投資するなら、生産量と消費量が増える見通しの市場、人口が増えていく見通しの国家を選びたいもの。
GDPは人口規模と人口の見通しに比例しているといえるので、人口規模を見ることでその国家の経済をある程度捉えることができます。
米国の人口は、毎年0.6%程度増加しているといわれており、徐々に人口が減っていく見通しの日本市場よりも、米国市場に魅力があることは明らかですね。
また、お金の置き場所を考える上で、物価上昇(インフレ)を考えることも重要なポイントです。
S&P500は、年率平均10%前後といわれており、インフレの対策としての「資産運用」(お金の置き場所)として有力な選択肢といえます。
インフレ国家・米国の通貨を持つことで、デフレ国家(日本)にいながら、その成長の恩恵を受けることができます。S&P500を通して米国経済を理解することもできます。
米国企業の多くは米国だけでなく、世界で事業を展開しています。
特にS&P500に含まれるApple、コカ・コーラ、ファイザーなど、ほとんどの企業の事業範囲が全世界に向けられているのです。
また、法定通貨は為替レートにより日々変動しているため、日本円だけというように一つだけの法定通貨を持つことにはリスクがあります。
法定通貨として世界で高い信用性がある米国ドルをあわせて保有するなど、法定通貨を分散して保有することが望ましいのです。
米国株式は、米国という経済規模が大きく、人口増加が見込まれる市場、そして政治・経済・軍事など世界をリードする点で、他の国や地域とは異なる点があります。米国の強さは今後も少なくとも数十年は続きそうです。
一方で中国やインド、新興国は成長が見込まれていますが、証券市場の成熟度(未熟度)、法整備、証券市場の管理監督という面ではまだ発展途上です。
資産を分散して保有するという考え方からも、米国株式や米国株式の投資信託を優先的に取り入れていくべきといえそうです。
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